薬剤ミニ情報
2009年
 
 
抗凝固剤ワーファリン錠について
 血液を固まりにくくする薬には、血小板の凝集を抑える抗血小板剤と血液の凝固因子を抑える抗凝固剤がありますが、今回は抗凝固剤ワーファリン錠について記します。ワーファリンは、肝臓で血液凝固因子(プロトロンビン等)の生成を助けるビタミンKの働きを抑えて、血液を固まりにくくし、心房細動等の基礎疾患がある人の脳塞栓(心臓にできた血栓が脳血管に移り起きる)の予防、又、人工弁置換術後の血栓予防に用いられます。効果が出てくるのに3〜4日かかり、手術前及び、手術後中止期間は夫々3〜4日とされています。ワーファリンの効果は個人差が大きく食品・薬剤の影響も受けやすいため、国際標準化比INR1.6〜2.6を目標にして定期的に血液検査をし、服用量が調整されます。服用に当たって次の点に留意します。@食品との相互作用・・・ビタミンKを多く含む食品(納豆、青汁、クロレラ等)の摂取により併用でワーファリンの効果減弱。摂取は避けます。(特にネバネバの納豆菌は摂取後、72時間腸内でビタミンKを合成) A薬剤との相互作用・・・ワーファリンは約97%が血液中の蛋白質(アルブミン)と結合し、残り数%の遊離分が薬効をもち、同じ結合をする消炎鎮痛解熱剤等と併用するとワーファリンのアルブミンとの結合が少なくなり、遊離分が増え作用増強。骨粗鬆症薬グラケー(ビタミンK2)はワーファリンの作用を弱め禁忌。アルコールはワーファリンの代謝を抑制しワーファリンの作用増強。ある抗生物質(セフェム系等)は腸内細菌によって産生されるビタミンKを減少させワーファリンの作用増強。他、相互作用を起こす薬剤がありますがINR をみながら適性な量が指示されます。 
 

抗血小板薬について
 今回は、透析時回路内にできる血栓及びシャント閉塞の予防や、脳・心血管・末梢性動脈疾患の治療に使用される抗血小板薬について記します。 @アスピリン・・・TXA2(トロンボキサンA2:血小板を活性化する物質)の生成に必要な酵素COX-1(シクロオキシナーゼ1)の作用を阻害し血小板の凝集を抑えます。服用中止後7~10日で効果消失。Aパナルジン、プラビックス・・・ADP(アデニシン2リン酸:血小板の凝集を引き起こす物質)の作用を抑制し、c−AMP(環状アデノシン一リン酸:各種ホルモンや神経の伝達・代謝調節に関わる物質)を増やし、血小板の凝集を抑えます。中止後10~14日で効果消失。稀に重篤な肝・血液障害が現れることがあります。(プラビックスは、副作用少ない) Bエパデール・・・青魚類に多く含有されるEPA(イコサペンタエン酸エチル)成分。TXA2の生成を抑え血小板凝集抑制・脂質低下作用があります。中止後7~10日で効果消失。Cプレタール・・・血小板内でホスホジエステラーゼ(血小板の働きを活発にするために必要な酵素)の活性を抑え、c-AMPを増やし血小板の凝集を抑えます。中止後2日で効果消失。血管拡張作用があり、透析患者さんでも末梢性動脈疾患(足の動脈硬化等)の改善に有用といわれていますが稀に頭痛・頻脈等がおきることがあります。Dアンプラーグ・・・セロトニン(血管収縮・血小板凝集を引き起こす物質)の受容体に拮抗することにより血小板の凝集を抑えます。中止後1日で効果消失。Eプロスタグランジン製剤(オパルモン、ドルナー)・・・抗血小板・血管拡張作用あり、中止後2日で効果消失。末梢性動脈疾患の治療に用いられています。

    
透析時に使用される抗凝固薬(注射剤)
 透析では、ダイアライザーを通し毒素や水分を除去していますが、体外に出た血液の凝固を防ぐため、患者さんの状態によって次に記す抗凝固薬が使い分けられています。@ヘパリン(商品名:ヘパリン、ノボ・ヘパリン等)・・・トロンビン(血液凝固に関わる酵素の一つ)と結合し、フィブリン(線維素:血液を凝固させる蛋白質)の生成や血小板の凝集を阻害します。半減期(薬が半分に消失する時間)は約60分と長いため、血液が体内に戻った後も作用が延長されるので特に出血しやすい状態でない場合に使用されています。長期使用でカルシウムとの結合により骨粗鬆症の原因となったり、脂質代謝異常等がおきることがあります。 A低分子ヘパリン(商品名:フラグミン、ローヘパ等)・・・ヘパリンを精製し分子量が小さくなっています。抗トロンビン作用が弱いため、抗凝固作用が体内に残る時間が短いので出血が起こりにくく、止血困難時や小切開術直後等、出血する可能性がある場合に使用されます。Bメシル酸ナファモスタット(商品名:フサン等)・・・凝固作用のある蛋白分解酵素を阻害し血液凝固の進行を抑えます。半減期が約8分と短いので抗凝固作用は殆ど透析回路内に限られます。手術後や消化管出血時等、出血の危険が高い時に使用されます。Cアルガトロバン(商品名:スロンノン、ノバスタン等)・・・選択的にトロンビンと結合し、フィブリンの生成や血小板凝集を阻害します。アンチトロンビンV(凝固阻止物質)欠乏症、ヘパリン起因性血小板減少症に有効といわれています。半減期は30~40分と長く出血のある人には使用されません。

脂質異常症とその薬 そのA
 透析患者さんの脂質異常では、酸化LDL (血中で活性酸素等により酸化された低比重リポ蛋白:悪玉コレステロール)・TG(中性脂肪)の高値、HDLコレステロール(高比重リポ蛋白:善玉コレステロール)の低値が見うけられます。又、最近ではT-CHO(総コレステロール)値からHDLコレステロール値を引いたNon-HDLコレステロールの高値も動脈壁の肥厚や硬化の指標になるといわれています。食事・運動療法で不十分な場合は薬が用いられ、以下に主な薬の種類と作用を記します。スタチン系薬剤(メバロチン、リピトール、リバロ等)・・・肝臓でLDLコレステロールをつくる時に必要な酵素(HMG-CoA)の働きを抑え、肝臓のコレステロール量を減らし、それを補うため血中のコレステロールが肝臓に取り込まれ血中のコレステロール値が下がります。肝臓や筋肉に副作用(横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感など)をおこすことがあり肝機能・CPK検査の値に注意が必要です。 フィブラート系薬剤(リポクリン、ベサトール等)・・・肝臓でTGの合成を抑え、主に血液中のTG値を下げます。但しベサトールは、透析患者さんには横紋筋融解症になる可能性があり禁忌です。 EPAイコサペント酸エチル薬(エパデール)・・・青魚の成分に含まれる不飽和脂肪酸からつくられ、血中のコレステロールやTGの値を下げます。又、血小板の凝集を抑え、血液をさらさらにする効果があります。小腸コレステロールトランスポーター阻害剤(ゼチーア)・・・小腸からコレステロールが吸収されるのを阻害することによりLDLコレステロール値を下げ、スタチン系薬剤との併用も可能です。さらにまもなく発売予定の降圧剤とスタチン系薬剤との配合剤が注目されます。

脂質異常症と薬 その@
 脂質異常症(コレステロールや中性脂肪等の脂質が異常値を示す状態)は、高血圧・糖代謝異常・喫煙等とともに動脈硬化を進め、心血管合併症を引き起こす原因となります。足の血管の動脈硬化が進むと、血管が狭くなり痛みで歩けなくなる閉塞性動脈硬化症を発症することがあり、進展の予防が大切です。本来コレステロールは、細胞膜を作ったり、ホルモンや胆汁酸の原料になります。2007年に改訂された「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」では、「高脂血症」という言葉は「脂質異常症」に変更されました。脂質は血中では蛋白質と結合して存在し、LDL(低比重リポ蛋白)コレステロール(悪玉コレステロール:肝臓で作られたコレステロールを血管や組織に運ぶ)は、血管壁に入り込み酸化されると粥状の固まりを作ります。この値が高値だと動脈硬化が進みやすくなります。又、HDL(高比重リポ蛋白)コレステロール(善玉コレステロール:血管や組織に余っているコレステロールを肝臓に戻す)の低値、TG(中性脂肪:遊離脂肪酸や糖質とともに肝臓で作られ血中に出てくる脂質)の高値も動脈硬化を進めるといわれています。透析患者さんは、TG値が高くHDLコレステロール値の低い人がみかけられますが、@尿毒素の蓄積 A酸化ストレスの亢進  B高インスリン血症、C二次性副甲状腺機能亢進症が起因となり、TG分解酵素等による脂質代謝酵素、LDL受容体の活性の低下等を招き脂質異常が起きると考えられています。次回は脂質異常症治療薬についてお伝えします。

リン吸着剤の種類と特徴(まとめ)
 現在、透析患者さんに使用されているリン吸着剤の種類と特徴を記します。(1)*カルシウム(**Ca)含有製剤* @ 『*カルタン錠*・細粒、又は沈降炭酸Ca末』(一般名:沈降炭酸Ca)・・・胃の中で溶け、食物中のリンと結合し、リン酸Caとなって便中に排泄される。食事中に服用。食間等に服用するとリン吸着効果は低く、Caを増やすことになる。Caの吸収を助ける作用をもつ活性ビタミンD剤との併用で高Ca血症をおこしやすい。A『*沈降炭酸**Ca錠*』三和・・・上記(1)の沈降炭酸Caの後発品で最近発売。少し甘味あり、唾液・少量の水に溶けやすい。食直後、又は食事中に服用。(2)*非**Ca含有製剤* @『*レナジェル又はフォスブロック錠*』(一般名:塩酸セベラマー)・・・イオン交換樹脂製剤。セベラマー中のクロルイオンと食物中のリンが交換され薬の表面にリンが吸着し、便中に排泄される。食事中、又は食直前に服用。Caを含まないので活性ビタミンD剤と併用可能。高Ca血症・石灰化の発現は低いが服用錠数多く腹部膨満・便秘等の副作用あり。A『*ホスレノールチュアブル錠*』(一般名:炭酸ランタン)・・・食物中のリンと結合しリン酸ランタン(ランタンは金属元素)となって便中に排泄される。食前の服用や食事量が少ない人の場合は、悪心等の消化器症状をおこしやすく必ず食直後に服用。レナジェルと同様、Caを含まないので活性ビタミンD剤と併用可能。以上、リン吸着剤は飲むタイミングが大切です。又、リンを多く含む食事(間食も)の時は多目に、少ない食事の時は少なめにする等、服用量配分の工夫をすると副作用も軽減されます。

透析患者さんとサプリメントの利用 そのB 微量元素について
 生体には、鉄・亜鉛・銅・クロム・セレン・ゲルマニウム・鉛等の微量元素が僅か0.02%含まれ、夫々の働きをもっています。そのサプリメント(以下「サプリ」と略す)(鉄を除く)についてお伝えします。亜鉛・・・体内で蛋白の合成や酵素の働きを助ける因子として働き、生理機能の維持・調節に関わります。透析患者さんは、1)腸管での亜鉛吸収障害 2)亜鉛含有の高い魚介類(牡蠣)・肉類等の食事制限 3)ある種の薬剤(降圧剤・利尿薬・抗生剤等の一部)等が原因で味覚障害・創傷治療遅延・皮膚乾燥・貧血等の亜鉛欠乏症状を起こしやすく、又、鉄やアルミニウム、カルシウム等との同時服用で亜鉛の吸収が妨げられるとも言われています。医療用の亜鉛含有製剤『プロマック』は抗潰瘍剤ですが味覚障害・貧血症改善にも処方され、サプリでは亜鉛単独の『ネイチャーメイド亜鉛』が市販されています。セレン・・・抗酸化作用を示す酵素の構成成分で、欠乏すると心疾患や発がんのリスクを高めるという報告があります。透析患者さんのセレン血中濃度は低下傾向のようです。ゲルマニウム・・・酸性体質の改善や抗がん・抗ウイルス作用があると宣伝されています。医療用の肝炎治療薬としてゲルマニウム製剤がありますが、サプリでは腎障害をおこした報告があり注意が必要です。他、微量元素のサプリが出ていますが、今のところ透析患者さんに有用と考えられるのは亜鉛とセレンです。市販のサプリには複合されたもの(クロムを含むもの等)もあり、使用する際には確認が必要です。

透析患者さんとサプリメントの利用 そのA L−カルニチン,α―リポ酸について
 今回は、透析患者さんの利用可能性の高いサプリメントを紹介します。(1)Lカルニチン・・・主に肝臓、腎臓,脳でアミノ酸であるリジンとメチオニンから作られます。心臓や筋肉に多く存在し、脂肪酸が筋肉細胞に取り込まれ筋肉運動のエネルギーとして燃焼するときに働く栄養素です。赤血球細胞を強くし、貧血改善作用もあるといわれています。透析患者さんは、蛋白の制限からL−カルニチンの素になるアミノ酸の摂取制限、透析での除去、腎臓での合成障害等により欠乏傾向にあり、筋力の低下・下肢のけいれん・心機能の低下・透析中の血圧低下・エリスロポエチン抵抗性の貧血等がみられる場合はL−カルニチンのサプリメントの摂取が有用となります。 (2)α―リポ酸(チオクト酸)・・・細胞のミトコンドリア(エネルギーを生産する場)に存在する補酵素の1つで、体内で糖からエネルギーを作り出すときに必要な栄養素です。LDLコレステロール(悪玉)の酸化を弱める抗酸化作用も認められ、体内にある他の抗酸化物(ビタミンC、E、グルタチオン、コエンザイムQ10)と共に機能し、生体の過酸化を防止しています。又、透析患者さんに及ぶことのある糖毒素の蓄積を防止したり、糖尿病の神経障害を予防するといった報告もあります。体内では少量しか合成されず、食品(ほうれん草やレバー等)に含まれる量も微量、さらに加齢と共に体内のα―リポ酸の濃度は低下するためサプリメントによる摂取が有用となります。これらのサプリメントは、一度医師にご相談されてからおのみください。 

透析患者さんとサプリメントの利用 その@
 透析患者さんは、食事制限、ある種薬剤との併用、透析除去等により、ビタミン(Vと略)不足をおこしがちです。この不足を補うためV等のサプリメントを摂取する際には、以下にご留意ください。(1)水溶性V.B群(B1、B2、B6、B12、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン)・・・糖質や脂質のエネルギー変換、蛋白質の代謝等、体内の生理作用に関わります。B1、B2、B6は透析で除去され易く、サプリメントの普通量の摂取は比較的安全です。又、B6、B12、葉酸は血中ホモシステイン(心・血管障害要因物質の一つ)濃度に関わるといわれ欠乏すると補充されることがあります。ナイアシンは過量摂取で肝障害等の副作用をおこすことがあり注意が必要です。(2)水溶性V.C・・・抗酸化薬として大切。約50%が透析で除去され不足がちとなりますが、長期の過量摂取で組織に蓚酸カルシウム(石)沈着の恐れもあり、一日100mg以下の継続摂取を奨めます。又、V.Cはエリスロポエチン抵抗性貧血で鉄の利用を促進するといわれ、注射薬で投与されることがあります。(3)脂溶性V.A、D、E、K・・体内蓄積に注意が必要。V.Aは透析除去されず、皮膚障害の恐れもあり摂取は避けます。V.Dは活性V.D剤として必要時に処方されます。V.Kは抗凝固剤ワーファリンの薬効を弱めるため、V.Kの含有量の高いクロレラ等の摂取は控えます。抗酸化作用をもつV.Eは透析除去されませんが皮脂腺から排泄され、過量摂取しない限り安全です。以上、これらVを摂取する時は、推奨量を確認しますのでご相談ください。

透析患者さんの便秘対策
 透析患者さんは、水分制限や透析による除水により腸管内の水分が減少するため便秘になりがちです。又、処方される薬の中で特に高カリウム血症治療剤(カリメート、ケイキサレート、アーガメイトゼリー)、リン吸着剤(レナジェル、フォスブロック)は、イオン交換樹脂製剤のため水に溶けず、飲む量も多いため硬い便をつくりやすくなります。これらの薬の服用による便の通過障害が、稀に虚血性腸炎(腸を通る血流が悪化し、酸素欠乏となり炎症を起こす)を引き起こし、重症化すると腸管壊死、穿孔を起こすに至ることがあり、この対策として適切な便秘薬の使用が必要になります。色々種類ある便秘薬の中で、カリメートやレナジェルを飲み始めるときは、浸透圧性下剤(腸管から吸収されにくい糖が浸透圧物質となり、腸管内に水分を引きよせ排便を促す)のソルビトールを早期に併用し、便の硬さによって少量づつ何回かに分けて服用(1回量を変えず、一日全量42ml位まで)すると、便を徐々に軟らかくし効果的といわれています。腸の蠕動運動、腹筋が弱い高齢の人等では、腸を刺激して排便を促すプルゼニド、アローゼン、ラキソベロン(耐性を生じにくい)等が使用されます。但し、腸内に硬い便が残っている場合は、一度に大量の下剤を飲むと腸に穴があくことがあるため、摘便(肛門内の硬い便をかき出す)し、腸の内圧を下げてから服用することが大切です。他にリン・カリウムを含まない食物繊維配合のサプリメントの利用、又、日常的な排便習慣、時計方向への腹部のマッサージ等もすすめられます。

新しい痒み治療薬『レミッチRカプセル』(オピオイドκ受容体作動薬)
 透析患者さんの痒みには、十分な透析、リン・カルシウムのコントロール、保湿剤の塗布、抗アレルギー薬・抗ヒスタミン剤の使用等の治療がなされてきました。これらの治療で効きにくい痒みに対しては、最近、生体内で作られる内因性オピオイド(麻薬モルヒネの様な作用をもつ物質)の受容体(細胞膜表面にあって特定の物質と結合して反応を起こす部分)を介して痒みを抑える薬の開発が注目されていました。昨年12月に製造販売が承認され、近日中に『レミッチRカプセル(一般名:ナルフラフィン塩酸塩)』〔レミッチRemitchの意味・・・Removeとり除く、itch痒み〕という商品名で発売されます。神経組織から分泌されるオピオイド及びその受容体にはμ(ミュー)、κ(カッパ)等があり、μオピオイドは痒みを増強し、κオピオイドは痒みを抑制します。透析患者さんではμオピオイドがκオピオイドより濃度比が高くなっていることが確認され、『レミッチRカプセル』は、このオピオイドκ受容体を刺激し細胞を活性化させ痒みを抑えます。この薬は、透析により除去されるため、一日1回夕食後又は就寝前の服用となっています。副作用としては、軽度の不眠、便秘、眠気等があるようです。『レミッチRカプセル』の登場により、透析そう痒症に対する治療薬の選択肢が増えますが、今までの治療で効果不十分な場合に限り、選択される薬となっています。

新しいリン吸着剤:*ホスレノールチュアブル錠(炭酸ランタン)*まもなく発売
 近年、透析患者さんでは、血中のカルシウムとリン濃度の積の上昇による心血管系の石灰化が生命予後(病期の経過や寿命の長さ)に影響するといわれ、特にリンのコントロールが重要になっています。十分な透析、リンを抑えた食事とともにリン吸着剤の使用が必要となり、2003年には血中カルシウム値を上げない非カルシウム性リン吸着剤のセベラマー塩酸塩(レナジェル又はフォスブロック)が登場し、今年3月頃には以前に紹介しました非カルシウム性リン吸着剤の*炭酸ランタン*が*ホスレノール*という商品名で発売されます。*ホスレノール*は、食物中に含まれるリン酸と結合し便中に排泄され血中のリン濃度を下げます。食直後に口中でかみ砕いた後、唾液又は少量の水で服用(水なしでも服用可能)しますが、崩壊剤を含まないためかみ砕かずに服用すると溶けにくく薬の効果が弱まります。リン濃度の低下効果は、*ホスレノール*250mg1錠がカルタン錠500mg1錠、レナジェル250mg4錠位に相当するといわれ、比較的少ない錠数の服用で効果が期待できそうです。副作用は、悪心・嘔吐・便秘等の消化器症状がありますが軽度のようです。相互作用は、一部の抗生物質(テトラサイクリン系、ニューキノロン系)と併用すると、その薬剤の効果を弱めるおそれがあるので2時間以上あけての服用が望ましいとされています。これからリン吸着剤の選択肢が拡がりますが、服用方法や便秘・悪心の副作用等ご質問がありましたらご連絡ください。

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