薬剤ミニ情報
2008年
 
 
漢方薬(2)効果的な飲み方
 漢方薬には、煎じ薬(生薬を水で煮出した液)と煎じた液を乾燥させ細粒・顆粒・錠剤にしたエキス剤があります。煎じ薬は、カリウム含有量がエキス剤のおよそ3倍あるといわれ、透析患者さんには、保険適用もあるエキス剤が処方されています。エキス剤は、消化管からの吸収を良くするため、一度お湯に溶かして湯液の形に戻して服用するようにすめられています。簡便さから溶かさずそのまま服用しても良いのですが、特に薬効を期待する場合、例えば悪寒のある風邪に使用する場合の葛根湯は、お湯に溶かして服用します。一方、透析患者さんの足のイライラ感やかゆみの治療でも使用されている黄連解毒湯(顆粒の場合)等は、体の熱や炎症を鎮める働きをもつことから溶かした後に冷まして服用すると良いようです。又、苦い漢方薬も溶かした後で冷ました方が服用しやすく、葛根湯、呉茱萸湯、半夏瀉心湯等は、しょうがの絞り汁(しょうがには発汗・解熱・鎮嘔作用あり)を加えると良いようです。服用時間は、原則的に食前、又は食間となっています。多くの漢方薬は、配糖体(糖と有機化合物が結合したサポニン等の植物成分)の形をしていて、体内には腸内細菌の働きで吸収される必要があり、食後の服用では、腸内細菌は先に食物の分解をすることになるからです。(但し胃の弱い方には、食後の服用をすすめます) 現在、漢方医学も、漢方薬のEBM(根拠に基づく医療)の確立をめざし臨床効果の検証が進められています。 
 

漢方薬(1)注意したい漢方薬の成分
 漢方薬は複数の生薬(ショウヤク:薬効の成分を含む植物の根・茎・葉、動物や鉱物の天然物)を組み合わせつくられています。体に穏やかに作用するといわれますが、体質に合わなかったり、漢方薬以外の薬との併用で好ましくない反応がおきることがあります。以下の例があります。 @甘草(カンゾウ)・・・芍薬甘草湯(透析患者さんの足のつれに使用)等に含まれ、その成分のグリチルリチンは抗アレルギー・抗炎症・肝機能改善薬(強力ネオミノファーゲンC、グリチロン)の成分としても使用されています。長期に大量使用するとむくみや血圧上昇がおきたり、又、ナトリウムやカリウムを排泄する利尿剤との併用では低カリウム血症をおこす可能性があります。A麻黄(マオウ)・・・麻黄湯、葛根湯、小青竜湯の風邪薬等に含まれ、その成分のエフェドリンは交感神経を刺激し、体温を上昇、発汗させ免疫機能を活発にします。頻脈・動悸等をおこすことがあるため高齢者や心疾患の人への使用、又、麻黄を含む漢方薬の2種以上の併用、他の交感神経刺激作用薬・テオフィリン等との併用には注意が必要です。B地黄(ジオウ)・・・八味地黄丸等に含まれ、腰痛、四肢の冷え、体力低下、代謝能低下の改善に使用されています。元気をだす薬で中高年の人によく使用されますが、胃がもたれ食欲低下おこすことがあるため食後の服用がよいようです。透析患者さんは、普通に漢方薬(エキス剤)を服用してもカリウム値等特に問題になる変化は見られませんが、前記の生薬についてはご留意ください。

    
抗コリン作用薬服用の注意について(お薬手帳の活用)
 気候が変わり、風邪薬の宣伝が目に入ります。皆様は、市販の風邪薬や胃腸薬を使用することがあると思いますが、これらの薬の多くには「抗コリン作用」をもつ成分が配合されており、服用には注意が必要です。人には、意思とは無関係に血管・心臓・胃腸・膀胱・唾液腺等に分布して生体の働きを自動的に調整している自律神経系(交感神経と副交感神経)があります。交感神経と副交感神経は、一般に同じ器官に分布し、一方が促進的、一方が抑制的に働きます。副交感神経に働く神経伝達物質のアセチルコリンは、心臓の働きを抑制、気管支を収縮、胃腸の運動を促進、等の働きを示します。抗コリン作用薬は、このアセチルコリンの働きを抑える薬で、鼻水を止める抗ヒスタミン薬(ポララミン、PL顆粒に含有されるプロメタジン等)、胃の痙攣を抑える胃腸薬(ブスコパン)、気管支を拡げる喘息薬(スピリーバー)、酔い止め薬(トラベルミン)、抗不整脈薬(リスモダン)、抗うつ薬(トリプタノール、ルジオミール)等があります。抗コリン作用薬の副作用には、目のまぶしさ、口渇、便秘、尿閉等があり、緑内障の患者さんでは緑内障の種類によっては眼圧上昇により症状が悪化、前立腺肥大症患者さんでは排尿が困難になり禁忌となっています。このような副作用を防ぐためには、他の医療機関で薬の処方を受けた時は「お薬手帳」を活用し、薬局で薬名の記載と現在服用している薬(市販の風邪薬や胃腸薬を含む。)との相互作用のチエックを受け、又、当クリニックでも「お薬手帳」を必ず見せてチエックを受けるようにしていただきたいと思います。

透析患者さんの皮膚の乾燥・痒みについて
 皮膚の乾燥・痒みを訴えられる透析患者さんは多く、日常生活や睡眠に支障をきたす場合があります。透析患者さんの痒みの原因は、明確には特定されていませんが、@尿毒症物質の蓄積 A透析機材との接触によるアレルギー反応 B角質層の水分の保持能力・発汗の低下 C痒み伝達物質に作用するヒスタミン等痒み因子の関与 Dカルシウム・リンの蓄積、二次性副甲状腺機能亢進症 E中枢における内因性オピオイド(脳内で痛みを緩和する反面、痒みを増強するモルヒネの様な作用をもつ物質)の関与、等が考えられています。対策には、十分な透析、カルシウム・リンの適正な管理、抗ヒスタミン・抗アレルギー剤の投与、等があり、又、スキンケアとして、白色ワセリン、尿素軟膏・ローション、ヘパリン軟膏等の保湿剤が使用されてきました。今年の透析学会で、従来の軟膏(白色ワセリンとレスタミン軟膏混合)にPGA(ポリグルタミン酸:納豆のネバネバの主成分で、グルタミン酸が多数結合した高分子物質)を添加した軟膏を使用し、潤い度・掻痒度の改善効果がみられたという発表がありました。PGAは、肌のもつ保湿力を引き出し高めるといわれ、最近、化粧品扱いで製品化もされています。これから乾燥した季節にはいっていきますので、日頃、ぬるめのお湯に入浴するとともに低刺激の石鹸・軟らかいタオルを使用する、保湿剤をまめに塗る、下着はナイロン化学繊維素材を避け木綿にする、等皮膚の乾燥・痒みの予防を心がけてください。

慢性腎臓病(CKD)について
 最近、医療雑誌だけでなく新聞や一般雑誌でも慢性腎臓病(2002年に米国で提唱された CKD chronic kidney diseaseの日本語訳)についての記事を見かけます。現在、日本では成人の8人に一人がCKDといわれ、透析患者さんも26万人を超え、2010年には30万人が透析患者さんになると予想されています。このことからCKDの発症、悪化予防が課題になっており、CKDでは心臓病や脳卒中などの心血管障害をおこす危険性が高いことが確認されています。欧米では数年前からCKD対策がとられていますが、日本では2006年に「日本慢性腎臓病対策協議会」が設立されCKD対策に取り組むようになり、毎年3月の第2木曜日は「世界腎臓デー」に指定されています。「CKD診療ガイド」も作られ、CKDは、@蛋白尿がでたり、画像の異常が見られるなど腎障害の存在が明らか A糸球体濾過率(GFR)が60ml/min/1,73m2以下 のいずれか、又は両方が3ヶ月以上持続すると定義し、GFR値によって病期を分け治療方針が立てられています。厚生労働省は、2008年4月からメタボリックシンドローム対策、生活習慣病対策のために特定健診、特定保健指導を定期的に行なう健診制度を整え、その情報からCKDを引き起こす可能性の高い糖尿病や高血圧などの早期発見を強化しています。又、日本腎臓学会や透析医学会などが協力しCKD の病態や治療の実態を調査し、危険要因、合併症、予後に関するデーターを収集するなど大規模な研究が開始されています。

マグネシウム(Mg)について
 暑さが続くこの頃、ミネラル水をもち歩く人が見かけられます。そのミネラル水には、微量のマグネシウム(Mg)、カリウム、カルシウム等、人の生命維持に必要な電解質が含まれていますが、これらの物質は、透析液にも含まれ調整されています。その中のMgは、体内では、半分が骨組織に、残りは筋肉、他の細胞に含まれています。その主な働きは、@心臓の筋肉の動きよくする。A神経,筋肉間の収縮に働く。B骨の構成成分で骨の代謝を維持する。C血液の固まるのを防ぐ。D神経の興奮を鎮める。・・・等です。Mgの慢性的な不足は、虚血性心疾患等の原因のひとつといわれています。ところが、一般に緩下剤として使用する酸化Mgを腎不全の患者さんが長期にわたり大量に服用すると、高Mg血症(神経症状としての脱力、腱反射低下、呼吸抑制など、心血管症状としての徐脈、低血圧、消化器症状としての悪心・嘔吐等)を引きおこす可能性があります。高Mg血症は、血清濃度が3.9mg/dl以上にならないと症状が発現しないといわれています。酸化Mgは、胃酸で中和された後、2/3は腸管内で不溶性の炭酸Mgとなり腸管を刺激し便を促がし、1/3は腸管から吸収され腎から排泄されるといわれ、腎不全では体内に蓄積されやすくなりますので、透析患者さんには他の下剤へ変更してもらっています。Mgの含まれている薬は、多くの一般胃腸薬にも含まれていますのでこれの長期にわたる使用は控えてください。

果実ジュースの薬への影響
 人の消化管、腎臓、肝臓などの生体膜に存在し、薬の取り込み、排泄に関わる酵素を「薬物トランスポーター」といいます。その「薬物トランスポーター」の1つである有機アニオントランスポーテイングポリペプチド(OATPS)は、細胞外から細胞内に薬を取り込む働きをします。一部の果実ジュース(オレンジジュース、アップルジュース、グレープフルーツジュース)は、消化管に在るOATPSの働きを阻害するため、OATPSを基質とする薬(抗アレルギー剤:アレグラ錠、他)とともに飲用すると薬の吸収が抑えられ薬効が1/2〜1/3に低下することがあります。グレープフルーツジュースの場合は、OATPSの他に、消化管で薬の代謝・分解に関わる酵素CYP3A4の働きをも阻害するため、CYP3A4を基質とする主な薬(血圧降下剤として使用されるCa拮抗剤:アダラート、カルスロット、アテレック錠等、血流改善剤:プレタール錠、スタチン系高脂血症剤:リポバス、リピトール錠、二次性副甲状腺機能亢進症治療剤:レグパラ錠)とともに飲用すると薬の血中濃度が上昇し、効き目が強く現れることがあります。又、上記の高脂血症薬では薬の筋細胞への蓄積により、筋肉痛や筋力低下がおき横紋筋融解症を起こした例も報告されています。これらの薬への影響は個人差がありますが、特に肝機能の低下している高齢の方では副作用が発現しやすいため注意が必要です。果実ジュースは、薬の服用時は避け、出来るだけ(少なくとも2時間以上)間隔を空け飲用するようにしてください。

良い睡眠をとるために
 人は、通常約90分周期で深い眠り(ノンレム睡眠)と浅い眠り(レム睡眠)を繰り返し朝目覚めるといわれます。レム睡眠(レムは、急速眼球運動rapid eyemovementの頭文字REMの意味)は、身体の筋肉は緊張がなくなっていて脳は働いて夢を見ている状態で、身体の睡眠とも呼ばれます。ノンレム睡眠は、脈拍・血圧、呼吸が安定し脳の活動が低下した状態で、脳の睡眠とも呼ばれます。透析患者さんには、透析特有の皮膚の痒み、痛み等が原因で不眠を訴えられる方がおり、夫々の疾患の治療、睡眠薬の使用等で対処されます。一般的には厚生労働省
から「睡眠障害対処十二の指針」が示されており、幾つかを以下に抜粋します。@睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分 A眠たくなってから床に就く、就床時刻にこだわり過ぎない B昼寝をするなら、十五時前の20〜30分・・・夕方近くの昼寝は夜の睡眠に影響します。C睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のピクつき・ムズムズ感は要注意・・・不眠以外の病気の場合は専門の治療が必要になります。D睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全・・・多くの睡眠薬は服用後15〜30分で効いてくるため、床に就く15分位前の服用が効果的です。服用後無理に起きていると寝付くまでのことを忘れる前向性健忘を発現する場合があります。又、お酒との併用は、睡眠薬の効き目を強めたり、睡眠のリズムを乱し中途覚醒をおこすことがあります。 良い睡眠をとるためには、眠ろうと焦らない、昼寝は短く、適度な運動、規則正しい生活を心がけましょう。

薬の用法(飲む時間)について
 内服薬は、次の通り、定められた時間に服用するよう用法が記されています。『食前』・・・食事前30分を目安に服用。胃を刺激して食欲を起こさせる食欲増進剤(ペリアクチン)、吐き気止めの薬(ナウゼリン)、漢方薬等は食前に服用します。 『食直前』・・・食事をする寸前に服用。ブドウ糖の消化・吸収を遅らせ食後の過血糖を防ぐ糖尿病薬(ベイスン)や食直前5分以内に服用する速効型インスリン分泌促進薬(グルファスト)は、薬効の出現が早く、すぐに食事を摂らないと低血糖になることがあるため食直前に服用します。『食後』・・・食事後30分を目安に服用。活性ビタミンD(ロァルトロール、アルファロール)等のような脂溶性ビタミンは、消化活動が盛んで胆汁酸が出ている食後に服用します。空腹時の服用では吸収されにくくなります。多くの薬は、胃の中に食べ物が残っており薬の胃に対する負担が軽く、飲み忘れないために食後の服用になっています。(食後以外の用法が記されていても薬によっては服薬順守(コンプライアンス)を考慮して食後服用と記される場合もあります)『食直後』・・・食事の直後に服用。高脂血症・抗血栓薬のエパデールは、脂肪酸で出来ているため、吸収のよい胆汁酸の分泌が最も盛んな食直後に服用します。『食事中』・・・食事をしている間に服用。リン吸着薬(カルタン、レナジェル)は、食物中のリンを吸着するため食事中に服用します。カルタン(沈降炭酸カルシウム)は、時間をおいて服用するとカルシウムが吸収され、心血管の石灰化までに及ぶことがあります。以上、充分に薬効が得られるように用法(飲む時間)を守って服用しましょう。

後発医薬品の普及へ(処方せん様式の改訂)
 後発医薬品(ジェネリック医薬品・・・ジェネリックgenericは、“一般的な” という意味。欧米では後発医薬品は薬の有効成分名である“一般名”で処方されることが多いためジェネリック医薬品と呼ばれる。)は、先発医薬品の特許期間の終了後、厚生労働省の承認を得て、他の医薬品メーカーで先発医薬品と同じ成分・効能をもつように製造された薬です。後発医薬品の使用は、開発費用が少なく安い価格となるので、医療費の抑制につながります。厚生労働省は、後発医薬品の使用促進のため平成18年に処方せんの様式を変更しましたが十分に普及せず、この4月から処方せんの様式が更に改訂されることになりました。従来は後発医薬品に「変更可」の場合は、所定のチエック欄に医師が署名又は記名・押印する様式でしたが、 @「変更不可」の場合に所定のチエック欄に署名又は記名・押印する A記載した薬の一部について後発医薬品に「変更不可」と判断した場合にその薬の近傍に「変更不可」と記載する(所定のチエック欄に署名又は記名・押印しない。) という様式に改訂し、後発医薬品の使用増加を期待しています。後発医薬品は、先発医薬品と主成分が同じでも異なる添加物が使われる場合があるため、人によっては副作用、同等の効果が得られない等のことがあります。当クリニックでは、発売後十分な使用実績を有している、安全性や供給が確保されている、薬剤情報の入手が十分である、等を考慮して後発医薬品を使用していくものと思われます。

花粉症の薬
 花粉症の時期を迎えました。花粉は、前年夏の気温が高いと飛散量が多くなるといわれ、今年は飛散量が多いと予想されています。花粉症は、体内に花粉(抗原)が入ると、この抗原に対して抗体がつくられ、再び花粉が入ると抗原抗体反応がおき、その結果、肥満細胞から放出されるヒスタミン、ロイコトリエン等の化学伝達物質が神経や血管を刺激し、鼻水・鼻づまり、目のかゆみ・充血などの症状をおこすことによるものです。主な治療薬には *@抗ヒスタミン薬(第1世代)*・・・古くからある薬で、ヒスタミン受容体を遮断し、症状を抑え即効性がありますが、脳に成分が移行し眠気をおこしたり、抗コリン作用による口渇、眼圧上昇、排尿困難等の副作用をおこすことがあります。(ポララミン、レスタミン、ペリアクチン等)*A抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬第2世代)*・・・ヒスタミン以外のアレルギー関連物質を抑える作用も併せ持ち、脳への成分移行が少なく眠気・口渇等の副作用が軽減され幅広く使用されています。(アレジオン、アレグラ、クラリチン等)*B抗アレルギー薬(遊離抑制薬、他)*・・・ヒスタミンを含めアレルギーに関わる化学伝達物質の生成や遊離を抑えますが、薬が効くまで2〜3週間かかるため花粉が飛散する前からの服用が勧められます。(バイナス、オノン、アイピーデイ等)*C血管収縮薬*・・・鼻の血管を収縮させることにより鼻づまりを改善します。長期に使いすぎると血管が反応しなくなり充血し鼻づまりがひどくなることがあります。(ナーベル、プリビナ)他、内用・外用薬、症状の強い場合のステロイド剤の併用等適宜使い分けられます。

新しい二次性副甲状腺機能亢進症治療剤「レグパラ錠」発売
 慢性腎不全でおきる「二次性副甲状腺機能亢進症治療剤」は、体内でのリン(P)の蓄積、ビタミンDの活性化障害によるカルシウム(Ca)不足等により副甲状腺ホルモン(PTH)が過剰に出る病気です。PTHの過剰分泌が長く続くと骨からCaが抜き取られ、かゆみ、骨病変等、さらには石灰化による心血管障害までおきることがあります。この二次性副甲状腺亢進症を抑える薬として現在、活性ビタミンDの内服・注射薬が使用されていますが、これらはPTHの分泌を抑えると同時にCaの吸収をも上昇させ、高Ca血症をおこすことがありました。このため、血中Ca濃度を上昇させることなくPTHの分泌を抑制する特長をもつレグパラ錠(一般名:シナカルセト塩酸塩)が、このたび発売されました。レグパラ錠は、副甲状腺細胞膜表面のCa受容体に作用し、Ca濃度が上昇したかのように副甲状腺に感知させることにより、PTH の分泌を抑制し、血清iPTH値やCa値を低下させます。飲み合わせについては、グレープフルーツジュースの摂取や、マクロライド系抗生物質、アゾール系抗真菌剤等との併用はレグパラ錠の作用を強めることがあり注意が必要です。主な副作用としては、低Ca血症(しびれ、筋痙攣、不整脈等)、悪心・嘔吐等が報告されています。補正Ca値(目安として9mg/dl以上)、血清iPTH値、副甲状腺の大きさ等をみながら、少量から服用開始することになると思います。

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